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【要注意】便潜血陽性と指摘された方|横浜市の田川クリニック

Medical

便潜血検査とは

便潜血検査とは採取した便に特別な試薬を加え、免疫反応を利用したヒトヘモグロビンを検出する検査です。便潜血検査では人の目では分からない微量の出血も見逃す事がありません。この便潜血検査を受診して陽性と診断された場合は自覚症状がなくても消化管(特に大腸)に異常が生じていないか大腸の精密検査(大腸カメラ検査)を受ける必要があります。

便潜血検査陽性で
疑われる疾患

大腸がん

大腸がんとは、大腸(結腸、直腸、肛門)に発症するがんの事を言います。大腸がんは自覚症状を感じる事が難しく、気づかないうちに症状が進行します。症状が出てから診断に至った場合には、内視鏡治療などの低侵襲な治療が選択出来ない事が多くなります。近年の食の欧米化など様々な要因もあり、大腸がんによる死亡者数は増加傾向にあります。

大腸ポリープ

大腸ポリープとは、大腸壁の表面にある粘膜層に発現する、イボのように隆起した出来物の事を言います。大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性(大腸がんになるポリープかどうか)に大きく分けられます。大腸ポリープの全てが大腸がんに繋がる訳ではありませんが、大腸ポリープが腫瘍性か非腫瘍性であるのかを診断する為に大腸カメラ検査を行う必要があります。

炎症性腸疾患

慢性的に、あるいは寛解と再燃を繰り返す腸管の炎症性疾患です。潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患を指します。いずれも原因は不明であり、国の難病指定疾患となっています。

・潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、直腸から口側に向かって粘膜の炎症を起こす疾患です。炎症は連続性(病変がつながっている)であり、大腸に限局するのが特徴です。腹痛、下痢、血便などがみられます。腸管壁の深くまで炎症が進行すると、大量出血、狭窄<腸が狭くなる>、穿孔<腸に穴が開く>などの腸管合併症が生じる事があります。海外では以前より比較的頻度の高い疾患でしたが、近年日本でも潰瘍性大腸炎を発症する患者数は増加傾向にあります。潰瘍性大腸炎は大腸内で炎症を起こし、激しい腹痛や下痢、血便を引き起こします。また炎症を繰り返した大腸の粘膜に大腸がんが出来る事があります。

・クローン病

クローン病は、潰瘍性大腸炎と異なり口から肛門までの消化管の広い範囲で炎症を引き起こす疾患です。下痢や腹痛などが多くみられます。腸管壁の深くまで炎症が進行すると、狭窄<腸が狭くなる>、穿孔<腸に穴が開く>、瘻孔<腸管が腸やその他の臓器のつながる>、膿腫<膿がたまる>などの腸管合併症が生じる事があります。炎症を繰り返した粘膜に大腸がん、肛門がんが出来る事があります。

上記に挙げた疾患は便潜血検査で陽性となる代表的な疾患です。もちろん上記以外の疾患が原因で便潜血陽性と診断される事もあります。

便潜血検査受診の
重要性

便潜血検査で陽性と指摘される方は全体の約5〜7%です。便潜血陽性と診断されても「検査日の便が硬くて切れ痔になった」、「もともと痔が発症している」等の要因もあり、大腸の精密検査を受けない方もいらっしゃいます。

便潜血検査で陽性と診断された方で大腸カメラ検査を受けられた方の約20%に大腸ポリープが見つかり、またその内でも約3〜4%の方に大腸がんが見つかったとの報告があります。便潜血陽性と診断された場合は、大腸がんや大腸ポリープ等の命に関わる重大な疾患の発症を防ぐためにしっかりと大腸の内部を観察する事が大切です。

便潜血検査で陽性と診断された際は大腸カメラ検査を受けていただき、大腸がんで苦しむ方を一人でも減らしていきたいと考えています。当院では患者さんに配慮した苦痛の少ない大腸カメラ検査をご提供できるよう、スタッフ一同協力して大腸カメラ検査を行っています。詳細については大腸カメラ検査ページもご参照ください。

大腸カメラ検査

便潜血検査と
大腸がんについて

便潜血検査では「便潜血2日法」がよく実施されています。便潜血検査の検便キットが2つありますので、任意の2日間で便を採取し、便中に血液が含まれていないかを検査します。

結果によっては「片方のキットでは陽性反応が出て、もう片方では陰性であった」という場合もあります。片方だけのキットで陽性と指摘をされた方はお早めにご相談ください。下記には日本消化器がん学会が公表している「大腸内視鏡検診の成績を用いた便潜血検査陽性反応適中度推定の シミュレーション」の論文から図を掲載しています。

大腸内視鏡検診の成績を用いた便潜血検査陽性反応適中度推定の シミュレーション

上図は便潜血検査で片方のキットだけで陽性反応がみられた場合と両方のキットで陽性反応がみられた場合での大腸がん罹患率を現しています。

男女ともに年齢が上がるにつれて便潜血検査で陽性と指摘された際の大腸がんの罹患率は上昇傾向にあります。また、2回とも陽性反応であった場合は、大腸がんの罹患率が特に高くなっています。

また、下図は便潜血検査で陽性と指摘された際の大腸腺腫(大腸ポリープ)の有無を表しています。

便潜血検査で陽性と指摘された際の大腸腺腫(大腸ポリープ)の有無

大腸ポリープは成長していくと大腸がんへと癌化するものがあります。便潜血検査で片方のキットだけ陽性反応が確認された場合、両方のキットで陽性反応が確認された場合のどちらをみても大腸ポリープが見つかる可能性が非常に高いことが分かります。

便潜血検査の
検査方法

便潜血検査には1日法と2日法がありますが、主に2日法で検査を実施される事が多いです。2日法で便潜血検査を受ける方は2日続けて、便を採取していただく事となります。

検査キット


上図のような検査キットが医療機関から届きます。説明資料に記載されている通り便を採取していただき、検査当日に医療機関までご提出ください。検査結果が出るまで数日かかりますので、検査結果は後日外来にて説明致します。

便潜血陽性は
大腸カメラ検査を

便潜血検査で陽性と指摘を受けたら、大腸がんや潰瘍性大腸炎・クローン病などの病気が発症していないかを確認する必要がありますので、お腹の中を詳しく観察することができる「大腸カメラ検査」を受診するようにしてください。当院では大腸カメラ検査を苦痛と感じず、快適に受けていただけるような様々な取り組みを行っております。

  • 経験豊富な消化器内視鏡専門医が大腸カメラ検査を全例担当
  • 鎮静剤を使用し、ウトウトとした状態で大腸カメラ検査が受けられる
  • 苦痛を抑えた軸保持短縮法を実施
  • 大腸がんの予防のため、切除可能な大腸ポリープは積極的に切除
  • 大腸カメラ検査後のお腹の張りを抑えるために二酸化炭素ガスを使用
  • 大腸カメラ検査後は院内で休憩できるスペースを完備
  • 初めて大腸カメラ検査を受ける方でも安心できるようスタッフが細かくサポート実施
  • 院内で下剤が飲めるお部屋を複数完備
  • 富士フィルム社の内視鏡システムを導入
  • 多くの方に受けていただけるように土曜日も大腸カメラ検査を実施
  • WEBから大腸カメラ検査の予約が可能

便潜血検査で陰性と
指摘された方へ

便潜血検査は大腸がんの早期発見に有効な検査ですが、便潜血検査の検査精度は必ずしも正しいとは限りません。必ずしも『便潜血検査で陽性=大腸がん』とは限りません。お腹の中で出血していても、便潜血検査では陰性と指摘される場合もあります。

便潜血検査で陰性と指摘をされた場合でも決して安心せず、お腹の違和感、腹痛、慢性的に続く下痢・便秘、血便、便が急に長細くなったなどの症状がみられる際はお早めにご相談ください。便潜血検査で陰性と指摘をされていたけども、お腹の違和感を感じて大腸カメラ検査を受けることで大腸がんが発見されるケースも中にはあります。些細なことでも構いません。お気軽にご相談ください。

お問い合わせ

便潜血検査は比較的容易に実施ができるため、各市区町村が行っている大腸がん検診でも採用されています。便潜血検査で陽性と指摘を受けても特に自覚症状を感じていないため、精密検査として大腸カメラ検査を受けていない方もいらっしゃるかと思います。本来であればお腹の中で出血が生じることはありませんので、便潜血検査で陽性と指摘をされた方は必ず消化器内科を標榜しているクリニックに受診し、大腸カメラ検査を受けるようにしてください。

当院では消化器専門外来を行っており、便潜血検査で陽性と指摘された方に対して、大腸カメラ検査を行っております。便潜血陽性と指摘を受けた方はお気軽に当院までご相談ください。

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