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便通異常(便秘や下痢)|横浜市瀬谷区の田川クリニック

Medical

以下の項目に該当する方は
要注意です!

  • 数日間便が出なくて困っている
  • 排便に時間がかかったり、相当にいきまないと便が出ない(排便困難感)
  • 排便後も残っている感じでスッキリしない(残便感)
  • 便が硬い
  • お腹が張り苦しい
  • 腹痛が続く
  • 水状、泥状の下痢が続く
  • トイレから離れられない程頻繁な下痢症状
  • 下痢に血が混じる(薄桃色から鮮やかな赤い色 出血の色調は様々)

便秘とは

便秘症とは「排便が数日に1回程度に減少し、便の間隔が不規則で硬便になっている状態」を指しますが、明確な定義はありません。一般的には3〜4日便通がなく、腹部症状を認める状態と理解されています。

排便習慣や排便回数には個人差があります。必ずしも毎日排便がなければいけないわけではなく、数日から1週間に1度の排便であっても腹部症状がなくご本人が特に困っていない場合には治療が不要な場合もあります。一方で毎日排便があっても排便後にスッキリしない場合や腹満感が生じる場合には介入が必要な事もあります。

患者さんの訴えは大きく以下の3つに分かれます。

  • 排便回数減少:便の回数が少ない
  • 排便困難感:便が硬くて出づらい、いきまないと出ない
  • 残便感:排便後も便が残っている感じがする

また、便の性状はブリストルスケールを用いて下記のように分類されます。

便秘のイラスト
参照:排泄ケアナビ

便秘の発症原因

便秘の発症には主に「器質的原因」と「機能性原因」の二つに大別されます。

器質的原因

器質的原因とは腸管の病気が原因で糞便の通過を邪魔する為に発症する便秘です。糞便の通過を邪魔する病気として、大腸がん、術後の癒着、腹腔内腫瘍による大腸圧迫、クローン病、虚血性大腸炎などの様々な病気が挙げられます。要は大腸カメラやCT検査で便の通過を邪魔するものが診断される便秘です。

機能性原因

機能性原因とは腸管の動きが悪い、糞便から大腸へ水分が吸収され過ぎる事が原因で硬い糞便が形成される、糞便を肛門から排出させる協調運動(複数の筋肉の調節)の異常など運動機能・調節機能障害が原因となって発症する便秘です。不規則な生活やストレス、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌・代謝異常、パーキンソン病やアミロイドーシスなどの神経・筋肉の疾患、薬剤性などの原因が挙げられます。要は大腸カメラやCT検査では腸管に異常を認めない便秘です。

(機能性便排出障害)

お尻の手前(直腸)まで便が下りてきているが、スムーズに排便できないケースもあります。排便時には腹圧をかける“腹筋”と、普段便が漏れないように締まっている“骨盤底筋群(恥骨直腸筋)”の連携がうまくいかない便秘治療を目的とする医薬品にはいくつか種類はありますが、便秘が発症している原因に合わせて、その都度適切な医薬品を使用して治療を行う必要性があります。ただ、便秘を引き起こしている他の疾患が発症している場合は、まずその疾患治療を最優先します。

便秘の診断方法

患者さんが訴える症状の問診、腹部診察、血液検査、腹部レントゲン、CT、大腸カメラ検査などを行い便秘が発症している原因を特定していきます。

特に診断する際は便秘の「器質的原因」の有無を診ていきます。なぜなら器質的原因で便秘になっている場合は腸閉塞につながるリスクがあったり、大腸がんなど診断が遅れる事で病気が進行してしまう事があるためです。特に人の生命に最も関わる重大な疾患は大腸がんであり、その大腸がんは近年増加傾向にあります。がんの部位別死亡者数で大腸がんは「女性の第1位」、「男性の第3位」となっています。大腸がんを早期に見つける事にはレントゲンやCTなどでは難しいため、大腸カメラ検査を行う事が推奨されます。

※便秘の警告徴候(大腸カメラ検査を受けた方が良い方)

  • 最近発症した排便異常
  • 体重減少
  • 大腸がんの家族歴
  • 血便症状
  • 50歳以上

これらに該当する場合は大腸がんなどのリスクが高くなるため、一度ご相談ください。

治療方法

便秘治療では生活習慣、排便習慣の改善を主に行います。規則的な食事、十分な水分摂取、適度な運動が基本となります。また、便秘の治療薬にはいくつか種類がありますが、医薬品それぞれには利点や欠点がある為、病状に併せて適切な医薬品を選択します。安易な便秘薬の使用は難治性の便秘へとつながるので注意が必要です。

生活習慣・排便習慣の改善

便秘が悪化しないように以下の項目には注意が必要です。

(1)食生活・運動習慣の改善
朝は排便が一番起こりやすい時間帯です。まずは朝食をしっかり取り、腸管の動きを活性化させましょう。また理想的な形状の便を作るためには十分な水分摂取が必要です。適度な運動により腸管の蠕動運動が促されます。特に女性では運動の有無が大きく影響すると報告されています。生活習慣の改善はどれか一つだけでは効果が出にくいので、食事・運動を合わせた規則正しい生活週間を心掛けましょう。

(2)便意を感じたら我慢しない
便意を我慢し続ける事で、便意が感じにくくなってしまいます。直腸に便が溜まっているにも関わらず便意を感じなくなって発症する便秘は日本人に一番多い便秘です。便意を感じましたら我慢しないでください。

薬物療法

過去には酸化マグネシウムと刺激系下剤が多く使われて来ましたが、特に刺激性下剤の乱用が難治性便秘につながる事が問題となり、薬物療法の選択肢も変わってきました。

慢性便秘症診療ガイドライン2017に準じて当院で使用する主な薬剤は下記の通りです。
※アンダーラインで示したものは新規便秘薬と呼ばれる事もあります。

<ベースとなる便秘薬> 例(商品名) (一般名)
上皮機能変容薬 アミティーザ
リンゼス
ルビプロストン
リナクロチド
胆汁酸トランスポーター阻害薬 グーフィス エロビキシバット水和物
浸透圧性下剤 モビコール
マグミット
マクロゴール400
ポリエチレングリコール4000
酸化マグネシウム
消化管運動賦活薬 ガスモチン モサプリドクエン酸塩水和物
漢方 大建中湯
麻子仁丸
潤腸湯
桃核承気湯
<レスキューで使用する便秘薬>
刺激性下剤 アローゼン/プルゼニド
ピコスルファート
センノシド
ピコスルファートNa
浣腸・坐剤 グリセリン浣腸
レシカルボン坐剤
グリセリン
炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム

刺激性下剤は使用後比較的速やかに(当日から翌日)排便がみられる事が多く、患者さんからの希望も多い薬剤です。一方で耐性が出来て徐々に効かなくなったり、依存が強くなりやめられなくなる事もある薬剤です。極力常用はせずに、ベースの便秘薬を使ってもなかなか排便がない場合にレスキューとして使う事を推奨しています。

下痢とは

便の水分量が増加し、便としての形状を失い液状または泥状のまま排出される状態を下痢と言います。下痢の発症原因は様々です。下痢は体の不調を示す大切な兆候であり、軽視できない場合もあります。下痢が続くと脱水になるだけではなく、電解質やタンパク質など必要な栄養素を失う事にもつながります。

発症原因

下痢の発症は腸管蠕動運動の異常や腸管のむくみが原因となります。経過から急性・慢性に分けられます。

腸管の水分吸収量の減少
(腸管蠕動運動の異常)

腸は糞便中に含まれる水分を吸収し、便の形成に深く関わっています。腸管の病気や服用中の内服薬が原因で腸管の蠕動運動が亢進し、糞便の腸管内での滞留時間が通常よりも減少してしまい、腸管からの水分吸収量が低下してしまう為、糞便が液状・泥状となり下痢を発症する事があります。

 

腸管の炎症(腸管のむくみ)

腸管に炎症が起こる事で腸管壁がむくみ、その腸管壁の組織中に含まれる滲出液が腸管内に滲み出る事で糞便中に含まれる水分含有量が多くなったり、腸管からの水分吸収が滞る事で、下痢を発症する事があります。炎症の原因は感染症や膠原病、潰瘍性大腸炎など様々です。

<急性>

感染性腸炎

急性の下痢の中では最も多くみられます。病原性大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどの細菌、ロタウィルスやノロウィルスなどのウイルス、その他真菌や寄生虫などが原因となります。腸管が浮腫む事で下痢を発症します。

薬剤性腸炎

抗生剤を使用する事により、偽膜性腸炎や出血性腸炎を生じる事があります。またその他の薬剤による副作用で下痢を生じる事もあります。

生活習慣の乱れ

暴飲暴食やアルコールの過剰摂取など、日々の生活習慣の乱れが原因で下痢を発症する事があります。

<慢性>

過敏性腸症候群

明確な原因はまだ不明ですが、ストレスなど心理的要因が関連していると考えられています。大腸カメラなどの検査では異常はみられず、腸管蠕動運動の異常が原因で下痢や便秘を発症します。

炎症性腸疾患
(潰瘍性大腸炎、クローン病)

明確な原因は不明ですが、腸管に慢性的な炎症が生じる疾患です。炎症による腸管のむくみ、炎症を繰り返す事による狭窄などが原因で下痢を発症します。下痢症状に加えて腹痛や血便がみられる事もあります。

大腸がん、大腸ポリープ

腫瘍が大きくなり便の通り道が狭くなった場合、便の通過が滞り便秘になる事もあります。一方で狭窄部位を通過しやすい柔らかい便が優先的に排便されたり、少量ずつ頻回の排便となる事で下痢症状として認識される事もあります。下痢症状に加えて腹痛や血便などの症状を認めた場合には特に注意が必要です。

その他

蛋白漏出性胃腸症、吸収不良症候群、腸管手術後なども下痢の原因となります。

下痢によって引き
起こされる他の症状

下痢を発症する事で体内の水分が減少してしまい、脱水症状を引き起こす事もあります。脱水症状の初期症状では口の渇き、皮膚の乾燥、立ち眩み、低血圧などが兆候として表れます。脱水が進行すると腎臓や心臓に負担がかかり、腎不全や不整脈を引き起こす事もあります。

また下痢により水分とともにナトリウムやカリウム等の電解質も喪失してしまいます。その為手足に力が入りにくくなったり、手足の痺れや痙攣を引き起こす事もあります。下痢の原因によってはタンパク質などの栄養分を失う事で全身状態が増悪する事もあります。

治療方法

・薬物療法

整腸剤、漢方、下痢止めなどの医薬品を主に使用します。感染症が原因で発症している下痢の場合は、細菌やウィルスを体外に排出する必要があるため、下痢止めはあまり使用しません。しかし下痢の症状が重篤化した場合、特に高齢者では脱水症状がひどくなります。その際は全身状態を考えて適切な医薬品を服用します。

・水分補給、必要時には点滴

ウイルスや細菌感染の有無に関わらず下痢発症時には脱水症状予防を目的に水分補給を行います。特に感染性腸炎など急性期の下痢で水分を摂取する際には、水やお茶では電解質が摂取出来ないため、スポーツドリンクを飲むようにしてください。経口での水分摂取が困難で脱水症状が強い場合は、点滴が必要となる事もあります。

・生活習慣で気を付ける事

  • 水分は一気に飲むと吐き気を誘発する事もあるので、少量ずつ小分けにして総水分量を整えるのがポイントです。
  • 睡眠をしっかりとる
  • 規則正しく、消化の良い食べ物を食べる (冷たいもの辛いものなど刺激物はなるべく避ける)
  • 暴飲暴食、過度のアルコール摂取は避ける

お問合せ

便秘や下痢は比較的軽い症状であると軽視されてしまう事が多くありますが、便秘や下痢を引き起こす病気は数多くあります。また大腸がんなどの大きな病気の一症状として見られる場合もあります。今発症している便秘や下痢が長期間続く際は、一度医療機関で相談する必要があるかもしれません。便秘や下痢を発症してお悩みの方はいつでもお気軽にお越しください。

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