初めて大腸カメラ検査を受けられる方へ
大腸がんの患者数や死亡者数は年々増加傾向にあります。
がん死亡者数や罹患数を臓器別にみた場合でも大腸がんは頻度が高い病気です(死亡者数:2位/罹患数:1位)。
その背景として食生活の変化(高脂肪・低繊維食)や運動不足の関与が考えられていますが、精密検査の未受診者が多いことも問題となっています。大腸がんはある程度病状が進行するまで自覚症状がありません。お腹が痛い、血便が出た(便に血が混じっていた)、便通異常を感じる(下痢や便秘)などの自覚症状を感じた際には、病気が進行して手術となる場合、さらに進行した場合には根治を目指す治療が選択出来なくなる場合もあります。腫瘍が大きくなり便が通過出来なくなると、腸閉塞を起こして緊急手術が必要となることもあります。
大腸がんは近年若い世代層でも発症していますが、基本的には40歳を過ぎると発症リスクが高くなると言われています。大腸ポリープは出来やすい体質の方もいるので、一度検査を受けてみることをお勧めします。またご家族で大腸がんや大腸ポリープと診断された方がいる場合は早期に検査を受けることが推奨されています。大腸がんの多くは大腸ポリープ(腺腫)が悪性化することで出来るため、ポリープの段階で切除することで予防することが可能です。実際アメリカでは大腸カメラの受診率を上げることで大腸がんの発生率や死亡率低下につなげています。
ご家族が大腸がんや大腸ポリープと診断されている方、少しでもお腹の違和感や便通異常を感じた際は先ずは大腸カメラ検査を実施しているクリニックまでご相談下さい。大腸がんの早期発見・早期治療に有効な検査は大腸カメラ検査です。大腸カメラは“不安”、“大変そう”というイメージを持たれる方も多いと思いますが、当院では検査を受けられる皆様が快適に検査を受けて頂く為に様々な工夫を行っています。検査のハードルを下げて必要な方にしっかりと検査を受けて頂くことで、最終的には大腸がんで命を落とす方をゼロに近づけていければと考えています。