逆流性食道炎
(胃食道逆流症)
とは
胃酸が胃の内容物と共に食道中に逆流する事を胃食道逆流症といい、逆流により食道の粘膜に炎症が生じたものを逆流性食道炎といいます。逆流に伴う症状があるものの、胃カメラ検査で食道の粘膜に異常を認めないものは非びらん性胃食道逆流症と呼ばれます。
胃には胃酸(塩酸)という食べ物を消化・分解する強酸の液体と消化酵素が存在しています。胃や十二指腸には酸から粘膜を守る防御機能がありますが、本来胃酸に接する前提で作られていない食道にはその防御機能がありません。胃酸が逆流を繰り返す事で食道粘膜に炎症が起こります。
逆流性食道炎は内視鏡の所見から下記の通り分類されます。
<改訂ロサンゼルス分類>
春日井邦夫, Gastroentero End; Vol. 56(5), May. 2014
逆流性食道炎は40歳以降の中高年層に好発すると言われてきましたが、食生活の欧米化や心理的ストレスなどの様々な要因が引き金となり、近年では若者の間でも逆流性食道炎が増加傾向にあります。
逆流性食道炎は治療せずに放置していると、バレット食道を形成して食道がん(腺癌)を引き起こす事があります。少しでも胃や食道に違和感を感じられた方は一度医療機関までご相談ください。