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「頼れる瀬谷のお医者さん」シリーズ第7弾
<消化器内科医と脳神経外科医による対談>|
横浜市瀬谷区の田川クリニック

Interview

日本人の死因の上位に常にランクインしている脳出血や脳梗塞。また、厚生労働省のデータ(平成30年)によれば、40~64歳で介護が必要となった方の原因の51%は、脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)だったそうです。人生100年時代を健康に過ごすためには、脳疾患の兆候を早期に発見し、予防改善していくことが不可欠です。脳疾患や心臓疾患の引き金となる動脈硬化を予防するため、管理栄養士による栄養指導で効果をあげている「田川クリニック」の田川徹平が選んだ今回の対談相手は、「子安脳神経外科クリニック」の院長、子安英樹先生。大学病院レベルのCTやMRI2台をはじめ、先端の医療機器と専門スタッフをそろえ、地域の画像センターとして多くの信頼を集める同院ならではの検査内容や取り組み、医療連携体制について、詳しくお聞きました。(対談日2023年5月31日)

  • 田川先生田川クリニック
    副院長 田川徹平
  • 子安先生子安脳神経外科クリニック
    院長 子安英樹先生

即日検査・即日診断で、患者の不安を少しでも早く取り除く

まずは今回の対談の意図をお聞かせください。

肝臓がんや膵臓がんの疑いのある時など、MRIや造影剤を使ったCTでないと正確な診断が難しい時があります。そんな時、大学病院や神奈川県立がんセンターへ行ってくださいと言っても、「仕事を休めない」とか「自分は大丈夫だろう」と、なかなか受診していただけなくて困っていました。がんの疑いを晴らすためだけに行くには、大学病院はハードルが高いというのもわかります。でも、医師としては、たとえわずかでもがんの可能性がある限り、見逃すわけにはいきません。そこで近くにいい先生はいないかと探して見つけたのが「子安脳神経外科クリニック」でした。二俣川駅の改札を出て右、歩道橋を渡ってすぐと言えば地図を見なくても行けるし、大学病院レベルの検査が当日受けられます。今回の対談を通じて、患者さんに「子安脳神経外科クリニック」の高度な検査や子安英樹先生のお人柄を知っていただければ、より気軽に受診していただけるようになるのではと思った次第です。
ありがとうございます。おっしゃる通り、当院は頭痛や物忘れのほか、最近頭が重いとか、ちょっと手がしびれるといった、そういった患者さんに気軽に受診していただけるクリニックをめざして2006年に開院しました。基本的に大学病院は重篤な脳疾患、脊髄疾患・神経疾患を専門的に診るところです。それに対し、本当に大学病院で診てもらう必要があるかどうかをスクリーニングするのが当院の役割だと考えています。そのため、64列マルチスライスCTや3.0テスラMRI2台をはじめ、先端の医療機器を導入し、精度の高い検査による即日検査・即日診断を基本としています。検査結果から治療方針まで、できるだけわかりやすく説明し、少しでも早く患者さんの不安を取り除けるよう努めています。
クリニックで大学病院レベルか、もしかしたらそれ以上のレベルのMRIが2台というのは、すごいことですよね。

「子安脳神経外科クリニック」はCTとMRIに特化したクリニックとして、
医療画像検査センターとしての役割も担っているのですね。

おかげさまで開院以来、当クリニックに検査や画像診断を依頼してくださる医療機関は100件を超え、中には大学病院やがんセンターなど大きな病院からの依頼もあります。割合的には、脳神経外科が約7割、その他が約3割といったところでしょうか。画像診断の場合は、専門の医師によるダブルチェックの上、お戻しするようにしています。
子安脳神経外科クリニックは、検査するだけでなくしっかり読影もしてくれるので、当院のように医師1人でやっているクリニックからすると大変心強い存在ですね。院内を見学させていただいた時、設備だけでなくスタッフも充実していて、規模も内容も、まるで大学病院の放射線科のようで驚きました。
脳は人体のいたるところに指令を与える重要な臓器で、この機能が低下すると身体にさまざまな影響を与えます。だから検査機器は先端のものを導入し、当日の検査にも対応できるようMRIも2台。実はMRIは2台とも先端のものに買い替えています。画像診断も、頭部は我々脳神経外科の医師でも診ることができますが、頭部以外の臓器に関しては、精度の高い画像診断を提供することで、より高度な治療を必要とする患者さんを迅速に高次医療機関につなげることができれば幸いです。

その症状、本当に大丈夫?働き盛りの男性は、1度は検査を

このような時は早目に受診をというアドバイスはありますか?

当院の場合、普通に歩いて来られた患者さんで、すぐに大きな病院へ行ってくださいというケースは平均日に1件はあります。特に働き盛りの男性の場合、健診で再検査を勧められても、自分は大丈夫という正常性が働き、そのまま放置してしまうケースが多いようです。なので、そのような方に危険な兆候が潜んでいないかは特に気を付けて診るように心がけています。また、ある日突然言葉が出て来なくなったと当院に来られた10代の女性を調べてみたら、脳梗塞を起こしていました。10代でも、いつもと違う頭痛が出た時は様子を見ないですぐに受診していただきたいと思います。
高齢の方は周りに心配かけまいと、ちょっとしたことは「大丈夫」と言いがちですが、ご家族が「いつもより歩幅が狭い気がする」「口数が少ない」など、いつもと違うと言われたとき、かなり気を付けて診るようにしています。そのような患者さんに念のため脳神経外科を受診していただくと、高確率で脳疾患が見つかるので、付き添いのご家族が「何か変」と言われた時は、特に気を付けるようにしています。
高齢の方が頭をぶつけた時は、1、2か月後に症状が出ることもあることも知っておいていただきたいですね。慢性硬膜下血腫といって、コツンと軽く頭をぶつけた程度で発症してしまう疾患もあるので、高齢者が転んだり、頭をぶつけたりした時は注意が必要です。それと、首の痛みにも気を付けてほしいですね。軽症の場合、寝違えたと思い形外科を受診される方も多いのですが、中には解離性椎骨動脈瘤等脳血管疾患の場合があります。

「子安脳神経外科クリニック」には脳神経外科だけでなく、
循環器内科の医師も在籍しているそうですね。

心筋梗塞や脳梗塞も、ともに血管の病気です。動脈硬化によって血栓ができ、血管が詰まって流れが悪くなることにより、梗塞を引き起こすのです。実際、脳疾患の患者さんが心臓疾患を合併しているケースは少なくなく、脳神経外科の医師だけで対応するのが難しいため、週に4回、循環器内科の先生に来ていただいています。循環器内科では狭心症や心筋梗塞、不整脈、心不全、弁膜症、心筋症、高血圧、肺動脈疾患、大動脈疾患などの診療をするほか、冠動脈CTスクリーニング外来にも対応しています。
脳と心臓の両方を検査していただけるのはかなり心強いですね。私は大学病院に勤務していた頃、重篤な患者さんばかりを診ていましたが、そこに至るまでの経過には何段階かあって、自覚症状が出る前の早い段階で治療につなげることができていれば、手術のような大がかりな治療はしなくて済んだはずなんです。クリニックの役目は、より早い段階で病気を見つけ、大事に至る前に芽を摘んでしまうことだと思っています。当院には食生活の改善で、薬に頼らずに済むようになった患者さんも少なくありません。生活習慣の改善で発症のリスクを下げ、病名がつく前にブロックすることができるのはクリニックならではのメリットだと思います。

先生ご自身は健康のため、どのようなことに気を付けていますか?

私は体力の低下を予防するために、ジムに通ったりして運動するよう心掛けております。それと同時に食事内容にも気を付けるようになり、昼食はサラダチキンなど高たんぱく低カロリーのものを選ぶようになりました。同世代の患者さんに、食生活や筋トレのアドバイスをすることもありますが、男性にももっと自分の体や健康について関心をもっていただきたいですね。
当院では管理栄養士を入れて食生活のアドバイスをしているのですが、毎日患者さんへのアドバイスを聞いているうちに、自然と体に良い食生活を心がけるようになり、私以外にも健康的に体重が落ちたスタッフも増えてきました。今回の対談で、先ほどの働き盛りの男性が危ないという話がすごく気になったので、今度、ぜひこちらで脳ドックを受けさせて頂きたいと思います。
それはぜひ!頸動脈エコーなどと組み合わせて現在の脳の健康状態を総合的に調べられます。40~50代の男性には、自分のためだけでなく、ご家族のためにも1度は受けていただきたいですね。

身近なクリニックを活用し、健康寿命の延伸をめざす

実際に、どのような形で医療連携をしているのでしょうか?

当院には脳神経外科をはじめ、内科、循環器内科、整形外科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科などさまざまな科から患者さんをご紹介いただいています。画像の作成は検査当日に行いますので、緊急性のある病変が見つかった場合は直ちに大学病院などの高次医療機関に紹介します。特に異常がなければ、ご紹介いただいたクリニックで引き続き診療を受けていただきます。
膵臓などでは超音波でみると腫瘍のようにみえる一方で、単純CTでは水の溜まりにもみえるような時、子安先生にMRIを撮って読影してもらうことで、より精度の高い診断が可能になります。大体10人のうち9人は何ともないのですが、確率は低くてもがんの可能性がある以上、医師として放ってはおけません。大学病院を薦めても3割くらいの患者さんに断られてしまうのですが、「二俣川駅前にある子安脳神経外科クリニックでMRI撮ってきて下さい」とお願いすると受診して頂ける方も多いので、本当にありがたいですね。今回の対談記事で子安先生の人柄が伝わることで、さらに受診して頂くハードルが下がるのではと期待しています。

今後の展望をお聞かせください。

私が内科医としてできるのは、早い段階で心筋梗塞や脳梗塞などの予兆を見つけ、大事にならないようにすること。1つのクリニックでできることには限りがありますが、エリア内のクリニックが連携すれば、総合病院なみの診療項目をカバーできるようになります。これまで眼科、内科、調剤薬局、婦人科、皮膚科の先生方と対談させて頂きましたが、これからも思いをともにする先生方と連携しながら、地域全体で患者さんの健康をサポートしていければと思います。
手前味噌になってしまいますが、当院は大学病院と同等レベルのCT・MRIおよび超音波検査装置がそろっています。大学病院で検査を受けたくても、予約が少し先になることも少なくありませんが、当院では基本的にその日のうちに検査をして結果までお知らせします。「来てよかった」と思っていただけるよう、一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合いながら、診察するよう心掛けています。

最後に地域の皆さんへメッセージをお願いします。

くも膜下出血の原因は多くが脳の血管に出来た瘤(コブ)が破裂することにより発症します。通常自覚症状はなく、早期発見のためにはMRIで確認するしかありません。一方自覚症状が無くても頭部MRIにて偶然見つかるいわゆる隠れ脳梗塞は、30代で5人に1人、50代では3人に1人に見つかるとも言われ、本格的な脳梗塞を起こす前に危険因子を取り除くことは重要です。脳や心臓疾患の疑いを晴らし、少しでも早く安心するため、あるいは隠れ脳梗塞やくも膜下出血の原因になる脳動脈瘤などを早期に見つけ、適切な治療につなぐために、MRIやCTをもっと気軽に活用していただければと私たちは考えています。また、今は片頭痛によく効く新薬も開発されています。頭痛などのつらい症状のある方はもちろん、「なんとなくいつもと違う」「なかなか治らない」という方にも、もっと気軽に脳神経外科を受診していただければと思います。
心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす動脈硬化の主な原因は、加齢、喫煙、肥満、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高血圧などです。これらの危険因子を少しでも取り除くため、当院では管理栄養士による栄養指導に力を入れています。今年度からは“いきなり栄養指導はハードルが高い”、“生活習慣の指導とはどんな内容なのか知りたい”という方のために、定期的に健康生活セミナーも始めました。今後さらに生活習慣の予防に力を入れていきたいと思っています。そのためのアプローチとして、隠れ脳梗塞やくも膜下出血の兆候など危険因子がないか、一度脳神経外科で検査を受けてみることは非常に有効と感じました。また、今回の対談では、フロントラインで活躍されつつ、人として患者さんとしっかり向き合い続ける子安先生の姿に多くのことを学ばせていただきました。子安先生、ありがとうございました。

対談を終えて

白と茶色を基調にした落ち着いたインテリアと居心地の良いソファーに、壁面を彩る熱帯魚。隅々まで配慮を凝らした待合室に、「少しでも気軽にお越しいただきたい」という子安先生の思いを感じました。もともとは救命救急科の医師だったという子安先生ですが、命の最前線で研鑽を積む中、より自分の手で患者様の命を救いたいという思いから脳神経外科に転科したとのこと。一方、田川先生の医師としての原点は、「がんから生活習慣病まで、患者様の全身を診ることのできる消化器内科の医師として、医療を通じて地域に貢献していきたい」という思いだそう。そんなお二人の患者や地域に対する真摯な思いに圧倒されました。

田川先生と子安先生

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