バセドウ病の原因
バセドウ病は、本来なら外敵から身体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の身体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。
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甲状腺は、のどぼとけのすぐ下に位置する、蝶が羽を広げたような形の小さな臓器です。ここで作られる 甲状腺ホルモン は、体の新陳代謝を高め、心臓・筋肉・脳など全身の細胞の働きを活発にする重要な役割を担っています。
甲状腺機能亢進症 とは、何らかの原因で甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、体が“常にアクセル全開”の状態になってしまう病気の総称です。その中で最も代表的な原因が バセドウ病 で、甲状腺機能亢進症の約9割を占めると言われています。
バセドウ病は 自己免疫の異常 によって起こり、甲状腺を刺激する抗体が作られ、甲状腺が働きすぎてしまう病気です。
甲状腺ホルモンが過剰になると、安静にしていても体の中では激しい運動をしているような状態になります。その結果、
など、心身ともに大きな負担が生じます。
バセドウ病は、本来なら外敵から身体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の身体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。
何らかのきっかけで、体内に甲状腺を過剰に刺激する異常な抗体が作られてしまいます。
代表的なものがTSH受容体抗体(TRAb) です。
この抗体は、本来甲状腺に「ホルモンを作るよう指示する」TSHの代わりに働き、甲状腺を持続的に刺激し続けてしまいます。
その結果、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌され、身体が常に“アクセル全開”の状態(甲状腺機能亢進症) になってしまいます。
なぜこのような抗体が作られるのか、完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
これらの要因が重なることで、免疫のバランスが崩れ、発症の引き金になると考えられています。
全身の代謝が異常に高まってしまうため、下記に記載しているような多岐にわたる症状が現れます。代表的な「バセドウ病の三徴(メルセブルグの三徴)」と呼ばれるのが、「甲状腺の腫れ(甲状腺腫)」「眼球突出」「頻脈(動悸)」です。具体的には以下のような症状が見られます。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に高まった状態になります。その結果、心臓・神経・消化器などさまざまな臓器に影響が及び、多岐にわたる症状が現れます。
これらの症状は、
などと勘違いされやすく、受診が遅れてしまうことも少なくありません。
「いつもと違う体調が続く」「複数の症状が重なっている」 場合は、甲状腺の病気が隠れている可能性があります。
気になる症状がある方は、早めに医療機関での検査をおすすめします。
バセドウ病が疑われる場合、血液検査・超音波(エコー)検査・心電図 などを組み合わせて診断します。甲状腺の状態だけでなく、全身への影響も総合的に評価することが大切です。
バセドウ病の診断で最も重要となる検査です。
甲状腺から分泌されるホルモンの量を測定します。バセドウ病では、FT3・FT4が基準値より高くなる のが特徴です。
脳下垂体から分泌され、甲状腺の働きを調整するホルモンです。甲状腺ホルモンが多すぎると、分泌を抑えようとする働きが起きるため、数値が著しく低くなります。
身体の中で誤って甲状腺を刺激してしまう抗体です。
TRAbやTSAbが 陽性であればバセドウ病の確定診断 に大きく役立ちます。
首に超音波をあてて甲状腺の状態を詳しく観察します。
痛みや被ばくはなく、どなたでも安心して受けて頂ける検査です。
動悸・息切れ・脈が速いなどの症状がある場合、不整脈(心房細動など)が起きていないかを確認し、心臓への負担を評価します。
バセドウ病は心臓の働きが強まりやすいため、心電図でのチェックはとても重要です。
バセドウ病の治療には、大きく分けて 「内服薬治療」「アイソトープ治療」「手術療法」 の3つがあります。
患者様の 年齢・症状の程度・甲状腺の大きさ・ライフスタイル・妊娠の希望 などを総合的に考慮し、医師と相談しながら最適な治療法を選択していきます。
甲状腺ホルモンの合成を抑えるお薬(メルカゾール/チウラジール/プロパジールなど)を毎日規則正しく内服する治療法です。
日本で最も一般的な治療法です。
放射性ヨウ素を含むカプセルを内服し、甲状腺の細胞を内側から弱らせてホルモン分泌を抑える方法です。
全身麻酔下で、腫大した甲状腺の一部または全部を外科的に摘出する治療です。
バセドウ病と診断された場合、治療の効果を十分に引き出し、症状の悪化を防ぐために、以下の点に注意して日常生活を送ることが大切です。
ホルモン値が正常になるまでは、常に心臓や体に負担がかかっている状態です。激しい運動は避け、十分な睡眠と休養を取りましょう。
甲状腺ホルモンが高い状態では、身体は常に全力疾走しているような負担がかかっている状態です。
ホルモン値が落ち着くまでは 激しい運動は控えめに し、十分な睡眠と休養を心がけて下さい。
喫煙はバセドウ病の治療効果を妨げるだけでなく、眼球突出などの目の症状(甲状腺眼症)を悪化させる最大の危険因子 です。
症状の改善のためにも、ご自身の健康のためにも、必ず禁煙してください。
症状が軽くなっても、ホルモン値が安定していない場合があります。
また自己判断で薬を中断すると、症状が急激に悪化し、命に関わる「甲状腺クリーゼ」 を引き起こすこともあります。
必ず、医師の指示に従って服薬と定期通院を続けてください。
バセドウ病は、早期に発見し、適切な治療を続けることで、これまでと変わらない健康的な生活を送ることができる病気です。
仕事や家事、スポーツ、妊娠・出産も、治療とコントロールによって十分に可能です。
このような症状やご不安がある方、健診で甲状腺の腫れを指摘された方は、一人で悩まずにご相談ください。
当院の糖尿病・内分泌外来では、甲状腺専門の診療体制を整え、丁寧な診察・血液検査・甲状腺超音波検査により原因を明確にし、患者さまに合わせた治療をご提案します。
横浜市瀬谷区・田川クリニックでは、スタッフ一同が、あなたの不安に寄り添いながら、安心して治療を続けられるようサポートいたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。