採用情報
WEB予約 LINE予約 WEB問診
WEB予約

甲状腺機能亢進症

Medical

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)とは?

甲状腺は、のどぼとけのすぐ下に位置する、蝶が羽を広げたような形の小さな臓器です。ここで作られる 甲状腺ホルモン は、体の新陳代謝を高め、心臓・筋肉・脳など全身の細胞の働きを活発にする重要な役割を担っています。

甲状腺機能亢進症 とは、何らかの原因で甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、体が“常にアクセル全開”の状態になってしまう病気の総称です。その中で最も代表的な原因が バセドウ病 で、甲状腺機能亢進症の約9割を占めると言われています。

バセドウ病は 自己免疫の異常 によって起こり、甲状腺を刺激する抗体が作られ、甲状腺が働きすぎてしまう病気です。

  • 発症しやすいのは 20〜50代の女性(男女比 1:4〜5程度)
  • ただし、男性や若年層・高齢者でも発症することがあります

甲状腺ホルモンが過剰になると、安静にしていても体の中では激しい運動をしているような状態になります。その結果、

  • 動悸がする
  • 汗が止まらない
  • 体重が急に減る
  • 手が震える
  • 疲れやすい、落ち着かない

など、心身ともに大きな負担が生じます。

バセドウ病の原因

バセドウ病は、本来なら外敵から身体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の身体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。

直接の原因(自己抗体の異常)

何らかのきっかけで、体内に甲状腺を過剰に刺激する異常な抗体が作られてしまいます。
代表的なものがTSH受容体抗体(TRAb) です。

この抗体は、本来甲状腺に「ホルモンを作るよう指示する」TSHの代わりに働き、甲状腺を持続的に刺激し続けてしまいます。

その結果、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌され、身体が常に“アクセル全開”の状態(甲状腺機能亢進症) になってしまいます。

発症のきっかけ(環境要因)

なぜこのような抗体が作られるのか、完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。

  • 遺伝的な体質(家族に甲状腺疾患がある)
  • 強いストレス
  • 過労・睡眠不足
  • 喫煙
  • ウイルス感染
  • 妊娠・出産(ホルモンバランスの変化)

これらの要因が重なることで、免疫のバランスが崩れ、発症の引き金になると考えられています。

主な症状について

全身の代謝が異常に高まってしまうため、下記に記載しているような多岐にわたる症状が現れます。代表的な「バセドウ病の三徴(メルセブルグの三徴)」と呼ばれるのが、「甲状腺の腫れ(甲状腺腫)」「眼球突出」「頻脈(動悸)」です。具体的には以下のような症状が見られます。

バセドウ病では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に高まった状態になります。その結果、心臓・神経・消化器などさまざまな臓器に影響が及び、多岐にわたる症状が現れます。

バセドウ病の代表的な3つの症状(メルゼブルグの三徴)

  • 甲状腺の腫れ(甲状腺腫)
  • 眼球突出(目が出て見える)
  • 頻脈(動悸・脈が速い)

全身の症状

  • 暑がりになる(異常に暑く感じる)
  • 汗が多くなる
  • 疲れやすい、だるい
  • 食欲があるのに体重が減る

心臓・血管の症状

  • 動悸(ドキドキする)
  • 脈が速い(頻脈)
  • 少し動いただけで息切れがする

神経・精神の症状

  • 手指が細かく震える(振戦)
  • イライラしやすい
  • 集中力の低下
  • 落ち着きがない
  • 不眠

首・目の症状

  • 首の腫れ(甲状腺腫大)
  • 眼が飛び出て見える(眼球突出)
  • まぶたが腫れる
  • 物が二重に見える(複視)

その他の症状

  • 排便回数の増加(軟便・下痢)
  • 筋力低下(太もも・お尻・肩など身体の中心に近い筋肉)
  • 月経異常(生理不順など)
  • 抜け毛

これらの症状は、

  • 「ただの疲れ」
  • 「更年期障害」
  • 「自律神経の乱れ」

などと勘違いされやすく、受診が遅れてしまうことも少なくありません。

「いつもと違う体調が続く」「複数の症状が重なっている」 場合は、甲状腺の病気が隠れている可能性があります。

気になる症状がある方は、早めに医療機関での検査をおすすめします。

検査・診断方法

バセドウ病が疑われる場合、血液検査・超音波(エコー)検査・心電図 などを組み合わせて診断します。甲状腺の状態だけでなく、全身への影響も総合的に評価することが大切です。

1血液検査

バセドウ病の診断で最も重要となる検査です。

甲状腺ホルモン(FT3・FT4)

甲状腺から分泌されるホルモンの量を測定します。バセドウ病では、FT3・FT4が基準値より高くなる のが特徴です。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)

脳下垂体から分泌され、甲状腺の働きを調整するホルモンです。甲状腺ホルモンが多すぎると、分泌を抑えようとする働きが起きるため、数値が著しく低くなります。

自己抗体(TRAb・TSAb)

身体の中で誤って甲状腺を刺激してしまう抗体です。

TRAbやTSAbが 陽性であればバセドウ病の確定診断 に大きく役立ちます。

2甲状腺超音波
(エコー)検査

首に超音波をあてて甲状腺の状態を詳しく観察します。

確認できること

  • 甲状腺の大きさ・腫れの程度
  • 甲状腺内の血流の増加(バセドウ病では血流が非常に多くなる傾向)
  • しこり(結節・腫瘍)の有無

痛みや被ばくはなく、どなたでも安心して受けて頂ける検査です。

3心電図検査

動悸・息切れ・脈が速いなどの症状がある場合、不整脈(心房細動など)が起きていないかを確認し、心臓への負担を評価します。

バセドウ病は心臓の働きが強まりやすいため、心電図でのチェックはとても重要です。

治療方法

バセドウ病の治療には、大きく分けて 「内服薬治療」「アイソトープ治療」「手術療法」 の3つがあります。
患者様の 年齢・症状の程度・甲状腺の大きさ・ライフスタイル・妊娠の希望 などを総合的に考慮し、医師と相談しながら最適な治療法を選択していきます。

1. 内服薬治療(抗甲状腺薬)

甲状腺ホルモンの合成を抑えるお薬(メルカゾール/チウラジール/プロパジールなど)を毎日規則正しく内服する治療法です。
日本で最も一般的な治療法です。

メリット

  • 外来通院で治療ができ、体への負担が少ない
  • 初期治療として多くの方に適応できる

デメリット

  • 治療期間が長い(通常2〜3年以上)
  • 薬を減らした際に再発する可能性がある
  • 初期(特に2〜3ヶ月)に
    ・無顆粒球症(白血球の著しい低下)
    ・肝機能障害
    ・皮疹・かゆみ
    などの副作用が起きることがあるため、定期的な血液検査が必須

2. アイソトープ(放射性ヨウ素)治療

放射性ヨウ素を含むカプセルを内服し、甲状腺の細胞を内側から弱らせてホルモン分泌を抑える方法です。

メリット

  • 内服薬で副作用が出た方や、再発を繰り返す方にも有効
  • 手術と異なり、首に傷跡が残らない
  • 1回の治療で効果が期待できることが多い

デメリット

  • 妊娠中・授乳中、または 半年以内に妊娠を希望する場合は実施不可
  • 治療後に甲状腺機能が低下し、生涯にわたって甲状腺ホルモンの補充(チラージン内服)が必要になることが多い
  • 効果が安定するまで数ヶ月を要する

3. 手術療法

全身麻酔下で、腫大した甲状腺の一部または全部を外科的に摘出する治療です。

メリット

  • 最も早く、確実に 甲状腺ホルモンを正常化できる
  • 甲状腺の腫れが非常に大きい方、早期にコントロールしたい方(早期の妊娠を希望する場合など)に適している
  • 再発リスクを最小限に出来る

デメリット

  • 入院が必要
  • 首に手術痕が残る
  • 稀ではあるものの
    ・声がかすれる(反回神経麻痺)
    ・副甲状腺機能低下
    などの合併症のリスクがある
  • 全摘の場合、術後は生涯にわたるホルモン補充薬が必要

日常生活での注意点

バセドウ病と診断された場合、治療の効果を十分に引き出し、症状の悪化を防ぐために、以下の点に注意して日常生活を送ることが大切です。

安静と休養をしっかりと

ホルモン値が正常になるまでは、常に心臓や体に負担がかかっている状態です。激しい運動は避け、十分な睡眠と休養を取りましょう。

甲状腺ホルモンが高い状態では、身体は常に全力疾走しているような負担がかかっている状態です。
ホルモン値が落ち着くまでは 激しい運動は控えめに し、十分な睡眠と休養を心がけて下さい。

絶対禁煙

喫煙はバセドウ病の治療効果を妨げるだけでなく、眼球突出などの目の症状(甲状腺眼症)を悪化させる最大の危険因子 です。

症状の改善のためにも、ご自身の健康のためにも、必ず禁煙してください。

薬の自己判断は厳禁

症状が軽くなっても、ホルモン値が安定していない場合があります。
また自己判断で薬を中断すると、症状が急激に悪化し、命に関わる「甲状腺クリーゼ」 を引き起こすこともあります。

必ず、医師の指示に従って服薬と定期通院を続けてください。

横浜市でバセドウ病の症状でお悩みの方へ

バセドウ病は、早期に発見し、適切な治療を続けることで、これまでと変わらない健康的な生活を送ることができる病気です。
仕事や家事、スポーツ、妊娠・出産も、治療とコントロールによって十分に可能です。

  • 「甲状腺が腫れている気がする」
  • 「最近、動悸やだるさが続く」
  • 「最近急に痩せた」
  • 「汗をかきやすくなった」
  • 「もしかしてバセドウ病かも…?」

このような症状やご不安がある方、健診で甲状腺の腫れを指摘された方は、一人で悩まずにご相談ください。

当院の糖尿病・内分泌外来では、甲状腺専門の診療体制を整え、丁寧な診察・血液検査・甲状腺超音波検査により原因を明確にし、患者さまに合わせた治療をご提案します。

横浜市瀬谷区・田川クリニックでは、スタッフ一同が、あなたの不安に寄り添いながら、安心して治療を続けられるようサポートいたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。