エコー検査とは
エコー検査(超音波検査)は高周波の音波を使用し、その反射を映像化することで臓器の状態や血流、腫瘍の有無、大きさなどを確認することができる検査です。
対象箇所は幅広く、当院では腹部エコー、頸動脈エコー、心エコーと3種類のエコー検査を通じて様々な臓器・血管の状態を観察することが可能です。
検査の事前準備はほとんど必要なく、検査自体の所要時間は検査する部位によっても異なりますが10~30分程度で終了するため、お仕事等でお忙しい方でも負担を少なく受けることができる検査です。
エコー検査の特徴
エコー検査は対象箇所にゼリーを塗り、その上からプロープと呼ばれる高周波の音波を送受信する機械をあてて行います。そのため、痛みや放射線の影響がなく身体への負担が少ないことから小さなお子様や妊娠中の方に対しても安心して受けていただくことができます。
また、検査の中には検査結果が出るまで数日~数週間と時間がかかる検査もありますが、エコー検査の場合には即時に検査結果を画像として得ることができるため、診断や治療の方針をスピーディーに立てることができます。
エコー検査は様々な疾患を観察することができる検査とされていますが骨や空気は超音波をほとんど通すことがないため、頭蓋骨に囲まれている脳や、空気を含んでいる肺などの臓器はエコー検査での観察には適していないため、これらの臓器の観察は別の検査で行うことが一般的です。
エコー検査でわかる病気
エコー検査では多様な臓器の形状や血流、腫瘍の有無や大きさを観察することが可能になります。
当院では腹部エコー検査、頸動脈エコー、心エコーを行っており、炎症やポリープ、腫瘍などの早期発見や治療に力を入れております。
腹部エコー検査
腹部エコー検査では腹部に超音波を当て、胃・腸管や肝臓、腎臓、胆のう、脾臓など腹部周辺の臓器の様子を観察します。これによってポリープや結石、腫瘍の有無や大きさを把握することが可能になり、早期の発見、治療を行います。
また、臓器への脂肪のつき具合も把握することができるため、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病と呼ばれる疾患によって引き起こされる脂肪肝や、肝障害等についても発見することが可能になります。
腹部エコー検査の受診をおすすめする方
- 糖尿病の治療中の方
- 脂質異常症の治療中の方
- 健康診断等で脂質異常(LDLコレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール)を指摘された方
- 健康診断の血液検査でALT,AST、γ‐GTPの異常値を指摘された方
- 慢性的に疲労感を感じる方
- 腹部や背中に痛みを感じる方
- 頻尿や残尿感が気になる方
- 尿検査で異常(尿潜血、尿たんぱく)を指摘された方
腹部エコー検査で発見できる疾患
肝臓 |
- 肝硬変
- 脂肪肝
- 肝臓がん
- 肝血管腫
- 肝嚢胞
- 肝腫瘍
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胆管 |
- 胆石
- 胆のう炎
- 胆のうがん
- 胆管炎
- 胆のうポリープ
- 胆管結石
- 胆管がん
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膵臓 |
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腎臓 |
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脾臓 |
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前立腺 |
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腹部大動脈 |
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頸動脈エコー検査
頸動脈とは大動脈から頭部へ血液を送る大きな血管のことです。頸動脈エコー検査では首にエコー検査用のゼリーを塗布して、頸動脈の血流の流れや血栓(プラーク)の有無や大きさなどを観察します。

頸動脈エコー検査の受診をおすすめする方
- 糖尿病の治療を受けている方
- 健康診断等で血糖値の高さを指摘された方
- 高血圧の治療を受けている方
- 健康診断等で血圧の高さを指摘された方
- 脂質異常症の治療を受けている方
- 健康診断等でコレステロール値や中性脂肪の高さを指摘された方
- 脳梗塞を発症したことがある方
- 近親者の中で心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの罹患歴のある方
頸動脈エコー検査によって発見できる症状
これらを把握することによって脳梗塞や脳卒中などの脳の血管障害のリスクの早期発見、早期治療に繋げることができます。脳梗塞や脳卒中は進行すると突然倒れてしまったり、重篤な後遺症が残ってしまう危険性のある疾患です。上記のリスクがある方は定期的に検査の受診をおすすめいたします。
心臓エコー検査
心臓エコー検査は心臓の大きさや、血管の状態、心臓壁の厚さなどを超音波で観察する検査です。胸のあたりにゼリーを塗って超音波を当てることで検査を行います。

心臓エコー検査の受診をおすすめする方
- 動悸や息切れ、息苦しさを感じる方
- 糖尿病の治療を受けている方
- 健康診断等で血糖値の異常を指摘された方
- 高血圧の治療を受けている方
- 健康診断で血圧異常を指摘された方
- 近親者で心臓病や脳卒中を発症したことがある方がいらっしゃる方
- 心電図で異常を指摘された方
心臓エコー検査によって発見できる疾患
心臓の疾患には重篤なものが多く、違和感や異変を感じた際に放置をしてしまうと後々後遺症を引き起こしたり、命に関わる場合もあります。
生活習慣病の治療中の方や、健康診断等で精密検査や再検査、数値異常を指摘された方は放置をせずに、定期的にエコー検査を受診するように意識されることをおすすめいたします。
お問い合わせ
エコー検査では様々な臓器の状態を把握することができるため、健康診断等で異常を指摘されたり、少しでも身体の異常を感じた時には早期に検査を受けることで早期に疾患の発見、治療を行うことができる可能性が高くなります。
比較的短時間で実施でき、負担も少ない検査ですのでご不安のある方や上記の症状に当てはまる方はご相談ください。
検査に関してご不安なことがある場合にはお気軽にお問い合わせください。