年齢・体格
- 35歳以上の高齢妊娠
- 妊娠前から肥満傾向(BMI25以上)
- 妊娠後に急激な体重増加がある
家族歴
- 両親や兄弟姉妹など、近親者に糖尿病の方がいる
過去の妊娠・出産歴
- 過去に妊娠糖尿病を発症した
- 妊娠高血圧症候群の既往
- 4,000g以上の巨大児の出産経験
- 原因不明の流産・早産の経験
その他
- 妊婦健診などの尿検査で尿糖が陽性になったことがある
Medical

妊娠は、女性の心と身体が大きく変化する特別な時期です。その中で、多くの妊婦さんが直面する可能性のある健康課題のひとつが「妊娠糖尿病」です。
「妊娠中に糖尿病…?」と驚かれる方も少なくありませんが、妊娠糖尿病は決して珍しい病気ではありません。日本では 妊婦さんの約12%(およそ8人に1人) が発症するとされており、近年さらに増加傾向にあります。
このページでは、
について、わかりやすく解説していきます。
妊娠糖尿病は、正しい知識と適切な対応を行うことで、安心して妊娠期間を過ごすことができます。ご不安な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
妊娠糖尿病とは、「妊娠中にはじめて発見された、糖尿病には至らない程度の糖代謝異常」 のことを指します。妊娠前からすでに糖尿病と診断されていた場合は「糖尿病合併妊娠」と呼ばれ、区別されます。
私たちの身体では、すい臓から分泌される インスリン というホルモンが血糖値を正常に保つ役割を担っています。ところが妊娠すると、お腹の赤ちゃんにしっかりと栄養(ブドウ糖)を届けるために、胎盤からインスリンの働きを弱めるホルモンが分泌されます。これを インスリン抵抗性 と呼びます。
健康な方では、この抵抗性に対抗するために、すい臓が普段より多くのインスリンを分泌し、血糖値を保つことができます。しかし、
などの理由でインスリンが不足すると、血糖値が十分に下がらず、高血糖が持続してしまう ことがあります。
この状態が 妊娠糖尿病の発症メカニズム です。
妊娠糖尿病は適切に対処することで、お母さんと赤ちゃんの健康をしっかり守ることができますので、必要以上に不安を抱えず、早めの受診・相談が大切です。
妊娠糖尿病は誰にでも起こり得るものですが、以下の項目に当てはまる方は発症リスクが高いとされています。ご自身が該当するかチェックしてみましょう。
妊娠糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどありません。しかし気づかないまま高血糖が続くと、母児ともにさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
血圧が上昇し、母子ともに危険な状態になるリスクがあります。
羊水が異常に多くなることでお腹の張りや早産のリスクが高まります。
赤ちゃんが大きく育ちすぎることで経膣分娩が困難となり、帝王切開になる可能性が高くなります。
お母さんから過剰な糖が送られることで赤ちゃんが大きく育ちすぎ、出産時に肩が引っかかる「肩甲難産」のリスクが高まります。
胎内で高血糖に慣れて大量のインスリンを分泌していた赤ちゃんは、出生後に急激な低血糖を起こすことがあります。
黄疸・呼吸障害・先天奇形などのリスクも高まることが報告されています。
ほとんどの妊娠糖尿病は、出産後に胎盤が排出されると血糖値も正常化 します。
しかし、妊娠糖尿病を経験した方は、将来 2型糖尿病を発症するリスクが約7.4倍 と言われています。
産後も
を継続していくことが重要です。
当院では妊娠糖尿病や、出産後生活に対する栄養カウンセリングも併せて行っております。
妊娠糖尿病は自覚症状が乏しいため、妊婦健診では段階的なスクリーニングを行います。
以下のいずれか1つ以上で「妊娠糖尿病」と診断されます。
妊娠糖尿病と診断されても、適切な治療と自己管理で血糖値をコントロールすることができれば、合併症のない安全な出産が可能です。妊娠糖尿病の治療は主に以下の3つの柱で行われます。
妊娠糖尿病と診断されても、適切にコントロールすれば安全な妊娠・出産は十分可能となります。
治療は主に以下の3本柱で行います。
食事療法は妊娠糖尿病治療の基本です。軽度の場合、食事の見直しだけで改善できることも多くあります。
産婦人科の医師から安静の指示がなければ、軽い運動がお勧めです。
食事療法と運動療法を行っても目標の血糖値まで下がらない場合は「インスリン注射」を行います。インスリンは胎盤を通過しないため、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはありませんのでご安心ください。
食事・運動で改善しない場合に行います。
インスリンは胎盤を通過せず赤ちゃんに影響しないため、安全に使用できます。
インスリン治療中は、薬が効きすぎて「低血糖」を引き起こすリスクがあります。
などの症状がみられた場合はすぐにブドウ糖(10g程度)を摂取しましょう。外出時は必ずブドウ糖(10g程度)携帯して下さい。
妊婦健診で妊娠糖尿病の疑いを指摘されると、ご不安になるお気持ちは当然です。
しかし、妊娠糖尿病は“早期に見つけて適切に対処すること”で安全な出産を十分に目指せる病気 です。お母さんも赤ちゃんも、元気に出産の日を迎えるために、できることはたくさんあります。
このようなお悩みがあれば、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。
横浜市瀬谷区の田川クリニックには糖尿病専門医や管理栄養士が在籍しており、妊娠中の血糖管理や食事・生活指導まで丁寧にサポートしています。
妊娠糖尿病の治療・管理に不安がある方、健診で異常を指摘された方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。